野球の奥深さがわかる 球場の大きさが一目でわかるマニアックなモデルが宮城にあった | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS

野球場はなぜこんなに多様なのか? 本塁から外野フェンスまでの距離、フェンスの高さ、右中左の膨らみはほぼ同じ。 ホームランボールが入るか入らないか。 勝敗を左右する差はあれど、厳しさを求めるルールは一切無視。 この特異性に魅了された宮城県村田町の工場は、やがて精巧な模型を作りました。 マニアックな魅力を探りました。 (編集局コンテンツセンター 佐藤正文)

8月完成の宮城県内17球場の模型(プラスエンジニアリング提供)

「宮城編」17球場を1つに

モデルは実物大の35/10,000です。 両翼は35センチ、中央は約43センチ。 宮城県内13市町村の17球場が1つにまとまり、外野フェンスは複数の弧を描く。 各競技場の大きさの違いが一目でわかり、フェンスの高さの違いも数ミリの段差で表現されています。 ファウル ゾーンは実線で示されます。

精密部品加工「プラスエンジニアリング」(本社・東京都、従業員数104名)の仙台事業所(村田町)で製作されました。 生産設備に欠かせないノズルやピンの特殊加工を得意としています。

2020年、世界にアピールするアイデア募集に入社3年目(当時)の岡崎克也さん(26)が手を挙げた。 小学3年生から野球を始め、白石高校、岩手大学と野球一筋。

外野フェンス模型の製作を主導した岡崎氏(本人提供)

ステンレス鋼から機械加工

テレビでプロ野球の試合を何気なく見ていた時に思いつきました。 ソフトバンクの主力投手、柳田有希外野手(33)がバランスを崩し、ペイペイドーム(福岡市)の本塁打テラスに本塁打を放った。 「(東北楽天の本拠地)楽天生命公園(仙台市)には無いだろう」と考えた直後、「スタジアムの違いを模型で比較してみるのも面白いかもしれない」と考えた。

事業とは全く関係のない提案でしたが、見事採用されました。 岡崎さんは、さまざまな素材のデザインデータをパソコンで作成。 外野フェンスは、同社の強みである機械加工とワイヤー放電加工を活かし、ステンレスから削り出しで製作。

ステンレスを外野フェンスの形に削る「マシニング」(提供:プラスエンジニアリング)

「プロ12チーム 左翼サイド」は初の製品 ミクロン単位の精度を誇る

構想から約5ヶ月後の2020年12月、第一弾としてプロ野球12球団のホームスタジアム左翼側の模型が完成。 岡崎氏は「1ミクロン(1000分の1ミリ)の精度で製造されているのが売り」と強調するが、もちろん見た目の違いは分からない。 2021年4月、右翼側を含むスタジアム全体の模型である第2弾が完成。

プロ野球12チームの本拠地模型(プラスエンジニアリング提供)

シェルコム仙台は意外と広い

テレビで取り上げられたこともあり、メールで「面白い」「もっと作ろう」などの好評をいただきました。 岡崎さんは勇気を出して、2021年7月から3作目となる宮城県版の制作を開始。

各自治体の協力を得て、本年8月に事業が完了しました。 涌谷町と松島町はフェンスの形をメジャーで測って教えてくれましたし、石巻市は球場の設計図を見せてくれました。

「涌谷スタジアム(涌谷町)はファウルゾーンが日本一。」

岡崎さんは模型を見せながら各スタジアムの特徴を熱心に説明し、「サッカーなどの他のスポーツではゴールの大きさが違うのはありえないが、野球は曖昧さが残るところが面白い」と話した。モデルが外野手フェンスの魅力を伝え、その価値を高めてくれたら嬉しいです。」

宮城県内17球場の外野フェンスの違いを図解(プラスエンジニアリング提供)

9月末まで実物展示中

仙台市太白区のスポーツ用品店「スーパースポーツゼビオ アスト長町店」では、宮城県バージョンを9月末まで展示している。

ヤクルトの村上宗隆内野手(22)が13日、ジャイアンツの王貞治(82)が1964年に記録したシーズン55本塁打に並んだ日本人選手最多。 外野フェンスの深さを知っていれば、どの球場が好成績を収めるかに自然と注目が集まる。

8月完成の宮城県内17球場の模型(プラスエンジニアリング提供)

[Baseball stadium standards]
公式の野球規則では、外野フェンスまでの距離は少なくとも 76.199 メートルでなければなりません。 その上、両ウイングで97.534メートル、中堅手で121.918メートルが望ましい。 プロ野球チームが建設するスタジアムは、1958 年 6 月以降、両翼で 99.058 メートル、中堅手で 121.918 メートルが必要になると付け加えられています。距離やフェンスの高さに制限はありません。

例えば、甲子園球場(両翼95メートル、中堅118メートル)や東京ドーム(両翼100メートル、中堅122メートル)。 東京ドームは広く見えますが、甲子園は右中間、左中間より約8メートル広いです。

フェンスの高さは、札幌ドームの5.75mから楽天生命公園の1.65mまであります(中段左)。 レッドソックスの本拠地であるフェンウェイパーク (ボストン) の左翼に立っている有名な「グリーン モンスター」は、高さ 11.3 メートルです。

球場の大きさだけでなく、風向きなどの気象条件もホームランの打ちやすさに影響します。 セ・リーグでは、神宮球場がリーグ平均の 1.3 倍で最も出現率が高く、バンテリンドームナゴヤがリーグ平均の 0.6 倍で最も出現率が低くなっています。 パ・リーグはPayPayドームが1.4倍、札幌ドームが0.8倍。 楽天生命パークはリーグ平均くらい。

各スタジアムのパフォーマンスの偏りは、パーク ファクター (PF) と呼ばれる指標によって定量化されます。これは、選手を評価し、個々のパフォーマンスを修正するために使用されます。

東京の野球殿堂博物館の学芸員である関口隆宏さん(46)は、「野球は初期の頃は野原で行われ、その後フェンスが作られ、ルールが確立された. 制限を受けることもあるし、スタジアムの特性に合わせて戦略や戦術を変えることもできるので、スタジアムの多様性が勝負の深さにつながっていると言えます」

河北新報のメールマガジン登録はこちら