インド映画『SUMO』に出演した元力士が語る「インドの凄まじいパワー」 | 日本ドットコム

インドの撮影クルーが突然やってきた

身長188センチ、体重180キロの田代義典(43)は現役時代、東桜山という四股名を持っていた。 最高位は7代目幕下で、大関や栃東の付き人も務めた。 現役時代は怪我に悩まされ、2007年に引退後はスーパーマーケットの店長や力士モデルとしても活躍。 2017年にはスーパーモデルのカーリー・クロスと共にファッション誌VOGUEにも登場。

2019年3月、田代さんにメールが届きました。 それは、インドと日本の架け橋として働くインド人が経営する日本企業からのものでした。 「大丈夫ですよ」と電話したら、数分後にインド人クルーが田代さんの事務所に来てくれました。

インド映画に出演した田代義典
インド映画「相撲」に出演した田代義典

しかし、終始英語とタミル語(南インドの言葉)で熱く語り合っており、田代さんには何が何だか分からなかった。 やがて「スチルを撮りたいので、どこかスタジオを借りてもらえませんか?」とのことでした。 田代さんはなぜかスタジオを探し、借りて引っ越してきました。 田代さんは「役の候補として写真だけ撮っておこうかな」と思い、とりあえず撮影を承諾。 その写真が映画「SUMO」のポスターになっています。

映画のポスター
映画「SUMO」のポスター

とてつもなく強引ですが、仕事が早いと言えます。

「まだ契約も映画の撮影もしていないのに、ポスターを撮影しました。 彼らはすぐに「オーケー、オーケー」、「オーケー」、「オーケー」と言いましたが、話はその後常に変わります。 契約などを話し合って、3ヶ月後の6月、撮影を行っていた富山県での撮影前日の6月に契約を結びました。 (田代さん)

世界に出て環境を変えようとするインド人スタッフの力

台本もスケジュールもありませんでした。 私が手に入れたのは、日本語で書かれた一枚の紙だけでした。 同紙は「若いインド人サーファーがインドに漂着した日本人を発見した。 日本人は健忘症で子供のようになってしまった。 インドの人々が力を合わせて彼を支えていきます。彼が青年と共に日本に戻った後、彼はヤクザと戦うなど紆余曲折の末に修業を再開しました。」

主演はインドのコメディアン、トゥンダラム・シワクラム。 また、2014年に公開されたインドのコメディ映画『マダム・イン・ニューヨーク』に出演したプリヤ・アナンドや、インド映画で主役を演じる俳優たちが脇役で出演しています。 田代さんがこの仕事を引き受けた理由は?

「力士が犯罪を犯したり、イメージが悪いなど、相撲を尊重しない仕事は受けません。 この映画で、彼らは力士が強いことを認識し、嘲笑されていないことを知っています。 私は受け入れた。”

6月からの1ヶ月半の撮影は、自然の美しさと撮影のサポート体制から富山でスタート。 富山での初日の撮影は午前9時からの予定だったが、田代はインド人と仕事をした経験から、スタッフが遅れることを知っていた。 新幹線の関係で、9時半に撮影現場に着いたらさすがにまだスタッフは来ていませんでした。 実際の撮影は午後2時から。 「インド人は時間に余裕がある」と思うかもしれません。 しかし、田代は違うと感じた。

「逆に日本人は精密機械のように動きすぎると思います。 彼らが時間通りに動くかどうかは問題ではありません。 それ以上に感じたのは彼らの力です。 自国の外に出る力と、世界に出て自分の環境を変える力を持っています。 インドでは毎日7万人の子どもが生まれ、人口は13億人。

公益社団法人日本経済研究センターが2019年末に発表した「中期アジア経済予測」では、現在日本の約半分のインドの名目国内総生産(GDP)は、 、2029年には日本を上回り、その経済規模は世界レベルに達すると予想されています。 3位予想です。

女性通訳者の話が無視される「男性社会」

インド映画の撮影に監督はいません。 そこで、田代さんも自分で考えて工夫しました。

「撮影が始まってしばらくして、例えば、日本人はおいしいと思ったときに首を縦に振るのに対し、インド人は首を横に振ることに気づきました。 「わかってるよ」って言うと首を横にひねる。

一方、何かが起こった。

「女性通訳者に『セリフを変えたい』と意見を言うと、『私が言っても女性は黙れと言うから言えない』と。 彼女の意見では、私が自分の意見だと言ったのに、彼は「それは言えません」と言った.私はそれが男性社会だと思った.

インドでの撮影で田代さんの控室として使われたバスの車内。 内装はホテルのようで、ベッド、テレビ、シャワー、トイレがあり、主役のバスはこれより一回り大きく豪華だったそうです。
インドでの撮影で田代さんの控室として使われたバスの車内。 ベッド、テレビ、シャワー、トイレを完備し、まるでホテルのような内装。

大スターの映画はシネマ コンプレックスで 1 日に何十回も上映され、すべて売り切れます。

インドでの撮影にも参加した田代さんは、インド映画の絶大な人気と、映画界の人々の経済的・社会的地位の高さを感じたと語った。

「インドの路上で撮影しましたが、スタッフは『静かにしてください! エキストラは使わず、そこにいる人にマイクで呼びかけて指示を出して参加してもらいました。何でもこなす力があります。また、映画のスポンサーであるインド人の家に挨拶に行きました。 私が行った時は大邸宅で、高級車が数十台並んでいました。大スターの人気はすさまじく、トップ俳優の年収は約50億円だそうです。大スターのサルマン・カーンが乗っていました。彼の家のバルコニーで彼の誕生日。 私が家に出ると、家の前に人が集まって悲鳴を上げる。まるでロックスターのライブだ」

街の人たちをエキストラとして撮影している様子
街の人たちをエキストラとして撮影している様子

田代さんは数年前、インドの下着のCMでサルマン・カーンと共演したことがある。 サルマンさんと一緒に写っている写真を見せると、インド人は田代さんに対する態度が一変し、「一緒に写真を撮ってください」と言ってくれました。

「大スターの映画がインドで公開されると、大惨事になる。 インドのシネマコンプレックスに行って上映スケジュールを見てみると、10スクリーン以上あっても、あの大スターの映画は毎日80本くらい。 みんなで大騒ぎして1日に何度も観るので、100日くらい連続で上映しても満員。インドのスケールにビックリです」

インド映画の人気はインドだけではありません。 大ヒット作『バーフバリ』シリーズなど、多くのインド映画を配給する日本映画会社『ツイン』の松本つくる氏は、次のように語る。

「全世界興行収入300億円を突破した『バーフバリ』のヒットによるインド映画ブームは、これまでにないものでした。 日本でも、観客はタンバリンを投げたり、光るオオバコを振ったりして、映画の世界に入り込みました。 、 各地で「応援上映会」が行われ、主人公たちに声援を送り応援した。 こうした経験から熱狂的なファンが生まれ、日本人有志もインドをツアーした。 3月27日。全世界オープニング興行収入第2位を記録し、日本でも公開される。」

日本人は人間力がないと勝てない

インド映画に続き、田代さんは中国映画に出演
インド映画の後、田代は妻夫木聡や長澤まさみなどの有名な日本のスターと一緒に中国映画「唐人街短編3」(原題)に出演した. 力士としてポスターにも登場。

一方、田代主演の「相撲」は1月8日公開と聞いたが、まだ公開されていない。 彼女はスタッフに何が起こっているのか尋ねましたが、返事はありませんでした。 インド人からすれば、「そんなことどうでもいい」という感じのようです。 インディア・パワーですか?

「日本には細かいことに気を使う人が多い一方で、昔のように強気で派手な人はいません。 最近の若者は草食で、物欲がなく、喧嘩もせずとても静かです。 「もっと人間力がないとインドに勝てない。この経験も英語を先に勉強したいと思った。そんなことはない」という人間力を失っていると思います。 同じ土俵に立つことはできません」

取材・文:POWER NEWS編集部 桑原里香
取材撮影:今村琢磨
インタビューカット以外の写真はすべて田代義典提供。

バナー写真:映画「相撲」ポスターの一部

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